全国的に冷え込むようになりましたが
いかがお過ごしでしょうか。
今回は「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」について
そもそもどのような制度なのか、まだ参入の余地はあるのかについてお伝えいたします。
参入をご検討されている方は勿論、施設在宅を増やしたいと考える薬局経営者の方も
顧客を知るという視点からご覧いただけますと幸いです。
まず「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」とは何かについてです。
出典:厚生労働省 – 介護サービス基盤と高齢者向け住まい<参考資料>
有料老人ホームは、老人を入居させ、以下の①~④のサービスのうち
いずれかのサービスを提供している施設のことをいいます。
①食事の提供
②介護(入浴・排泄・食事)の提供
③選択・掃除等の家事の供与
④健康管理
また、新たに建物を建てて有料老人ホームを届け出る場合は、
基本的に1部屋あたり13㎡という基準が定められています。
運営法人に特別な縛りはなく、あくまで民間供給の住宅ですので
見た目はもちろん、ターゲットや家賃等の料金設定は住宅により様々です。
一方、サービス付き高齢者向け住宅で特徴的なのは、
25㎡(共用部分等で一定の基準を満たせば18㎡)という広い部屋が必要だということです。
サービスとしては、少なくとも安否確認サービスと生活相談サービスを提供する必要があります。
では「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」は
まだ参入の余地があるのかについてですが、
高齢者や要介護認定者の人数から見ると、まだまだ参入の余地は十分にあります。
ご存じの通り、2042年まで高齢者は増加する見込みであり
その後の減少も緩やかであるためです。
以下のグラフは、2025年時点の高齢者向けの住宅の供給目標と
実態との乖離を表しています。
出典:国土交通省 – 第3回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料 2020/01/29資料2
また、行政の政策から見ても参入の余地はあります。
国は、社会的入院から施設での介護へ、そして在宅での介護(医療)と
医療・介護の場を移すことで、
国で負担する額を減らそうと動いています。
この動きからも、医療・介護を受けやすい住宅の提供を行うことは
今後のニーズに合っていると言えます。
ただし、ただ高齢者向けの住宅を建てれば成功するという訳ではありません。
出典:厚生労働省 – 介護サービス基盤と高齢者向け住まい<参考資料>
上のグラフをご覧いただくと分かるように
有料老人ホームは右肩上がりに増加しています。
一方でサービス付き高齢者向け住宅は平成27年頃から伸び率が低下しています。
このように有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の増加に差がある理由について、
私達は初期投資額の差にあると考えています。
1部屋当たりの基準面積は、
有料老人ホームの場合13㎡、高齢者向け住宅の場合は25㎡です。
これだけ広さに差があると建築コストに大きな差が出ます。
初期投資が高くなるわけですから、それだけ利益も大きくなければ
事業は成り立ちません。
といっても、家賃を高く設定すれば高齢者の懐事情とあわず
入居率が確保できません。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、まだまだ増やす余地があるものの、
このように初期投資と投資回収の方法には十分注意と工夫をしたうえで
事業を行う必要があります。
★おすすめ★
最後に、このサイトでは私がお手伝いさせていただいた
ある薬局さんが高齢者向け住宅事業に参入した事例を掲載しています。
よろしければご参考ください。
コラムいかがでしたでしょうか。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。