こんにちは。

CBコンサルティングの鎮目(シズメ)です。

春の訪れを感じさせる季節になってきました。

エリアや職種にもよりますが、

医療経営者の方々は花粉症患者の対応で

春を感じ始める方も多いのではないでしょうか。

コロナ対策によるマスクや手洗い・うがいの効果で

今年はインフルエンザ患者が激減しましたが、

花粉症においては効果が低かったようです。

※統計データではなく、花粉症の私が感じた感覚値です。

 なので批判などのご連絡は何卒ご勘弁を。

恐るべき植物の力。恐るべき命を紡ぐ力。

今年も花粉症の私は、植物に対して対抗意識を

燃やしては敗北している毎日です。

いつの日か打ち勝つことを信じ、

更なる医療の発展を信じ、今日も頑張ります。

前置きが長くなりました。今回は2月19日に国土交通省が発信した、

「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」について、

ポイントを読み解きながら解説いたします。

先にポイントを列挙すると、

①高齢者向け住宅がとにかく必要!!

②でも入居費用が今のままだと厳しいから安くしなきゃ!!

③入居費用を抑えるための取組みは評価し補助金額アップ⤴

④今までと同じような考えで新規立ち上げをするとこは補助金ダウン⤵

⑤当たり前だけど、既にサ高住を運営しているけど入居率が悪い(人気がない)法人は、

 どんなに売上や利益が出てても補助金出さないからね✋

です。

では、資料を確認していきましょう。

高齢者のみの世帯は増加の一途です。

上図にも記されている通り、2030年には約1,500万世帯となります。

2040年頃には、高齢者のみの世帯が総世帯数の3割を超えます。

3軒に1軒が高齢者のみという状況。

イメージしてみてください。両隣の家には高齢者しかいないという状態です。

年金内で暮らせる環境整備への要望がダントツです。

高齢者の年間所得は平均で約200万円 / 人。(年金含む)

貯蓄額は約1,200万円 / 世帯となります。

人生100年時代と言われる現代。この資金では当然不安です。

お金だけでなく、心の問題も表面化しています。

上図は首都圏高齢者の居場所について調査した結果です。

なんと第一位が図書館。第二位は見つからない、です。

他者との繋がりある環境を作っていかなければ、心身ともに弱っていきます。

国土交通省が発表したここまでの内容で、

如何に高齢者向け住宅が必要とされているか、

その理由も含め見えたかと思います。

では次に、必要とされている高齢者向け住宅を

国土交通省がどのように展開していこうと考えているか見ていきましょう。

まず、圧倒的に高齢者向け住宅が足りていないことが見てとれます。

上図では「地域にバラツキ。3%を超える地域もある一方で…..」と、

まるで3%が多いように表記されていますが、同省が同じく進めている

住生活基本計画の中では、高齢者向け住宅は4%必要だと明記されています。

全都道府県、届いていないですね。

もっと言わせてもらうと、欧米では既に8%程度が整備されています。

なぜ日本は思うように進捗していないか。

その理由として、大きいとこでいくと収益性が低い点が挙げられる。

入居率を見ていくと、80%を超えるのが平均で開設から2年後。

軌道に乗せるまで時間がかかっていることも見てとれます。

そのような状況もあり、キャッシュフローをまわすために

客単価を無理に上げる動きも確認できます。

以下のグラフをご覧ください。

介護度が高い方々が多く入居しています。全体では約30%の入居者が要介護3以上です。

居室面積が25㎡未満のサ高住が8割を占め、上図には記載ありませんが

そこに絞って見ると、40%前後の入居者が要介護3以上になっています。

「サ高住でもある程度の要介護認定者まで入居させられるじゃん!

 待機者を多く出している特別養護老人ホームの代わりになるかも♪」

なんていうニュアンスの資料も省庁から出ていましたが、

介護事業者からすれば、苦肉の策として介護度が高い方々を

入居させているケースも少なくありません。

収益性が悪いから介護報酬で客単価をどうにか上げようと、

体制整っていないのに介護度高い方々を入居させざるを得ないという状況が生まれています。

これじゃあサ高住を経営しようとする人も増えづらいですし、

既に運営されてる法人がスピード展開をかけることも難しいですよね。

そもそもサ高住など高齢者向け住宅に入居が必要な方は、

介護度が高い方々だけではありません。

介護度が低いうちから生活環境を整えていく必要があります。

そういった方々が入居できないというのも大きな問題です。

そういった問題を解決するため、引き続きサ高住の整備を促進しようと動いています。

それが今回の国土交通省から出された発表に記されています。

大きなポイントは、来年度以降、既存ストックの改修による

サ高住の供給補助を強化していくということ。

上図の右下に記された通り、既存ストック(共同住宅など)の改修による

サ高住の立上げは、全体の内、約6%。

初期投資総額を抑え入居費用設定を下げさせるため、

この改修による立上げを促進したいという方向です。

(国土交通省としては、空家問題の対応にも繋げたいという想いも見え隠れします。)

具体的には、補助金額の設定変更を実施。

▼補助対象の変更

補助対象になるサ高住の家賃限度額を実質半分まで引き下げ。

全国一律30万円だった限度額を、市区町村別で設定見直し。

結果として、平均15万円程度に。  

▼補助限度額の変更

・改修の補助限度額を引き上げ

・新築の補助限度額を引き下げ

・IOT導入に対する補助の追加

非常にわかりやすいメッセージです。

当たり前ですが、入居者(消費者)の要望に沿った運営ができない法人は支援しないということ。

言い換えれば、要望に沿えない高齢者向け住宅は消えてしまえということです。

事実、それに近しいことも記載されています。

人気がない、利用者ニーズに応えられていない法人は支援しないよ!ということですね。

長々書きましたが、高齢者向けの住宅事業も変革が進みそうです。

高齢化が進み、単身高齢者世帯が増えるので、間違いなく市場は大きくなります。

ビジネスチャンスもより広がるでしょう。

但し、利用者ニーズに応えない限りは継続は難しい時代に突入します。

それ自体は当たり前で、大事なのはどの利用者ニーズに応えるか。

客単価が高い富裕層ニーズは当然需要ありです。但しパイは限られます。

その限られたパイは、大手介護事業者が資本力を武器に必ず押さえます。

地域密着の介護事業者は、収入を上げるためにも、

コストを削減し利益を上げるためにも、

息の長いビジネスとして永続性を築くためにも、

地域住民の大半を占める一般所得層の高齢者世帯ニーズに応えていく必要があります。

そして数(入居者数)を確保することが必須であり先決です。

このコラムをお読みの方は薬局経営者が多いと思うので、

敢えてその視点で最後を締めさせていただきます。

今お付き合いされている介護事業者は、地域ニーズに応えられていますか?

将来計画のない、無理な経営をされている法人ではないですか?

お付き合いある介護事業者の大半が、10年後には撤退している可能性も十分あります。

もし撤退される可能性が高い介護事業者の在宅サービスを請け負っていて、

今は少しでも利益上がるからと我慢して付き合っているというケースあれば、

今一度お付き合いを見直してみてください。

そのお付き合いは、本当に貴社の価値を上げるのでしょうか?

地域にとってプラスになっているのでしょうか?

薄利に対して貴重な資源を投入することは愚の骨頂です。

そんな薄利はすぐにでも放棄し、将来的にもっと大きな利益を

生み出す先に資源を配分した方が間違いなく有効です。

10年後、どのような方々とお付き合いをしていて、

その中で自社の立ち位置はどこなのか。

変化の多い時代だからこそ、

見直すタイミングも増えてきました。

花粉と闘いながら、そんなことを感じる今日この頃です。


コラムいかがでしたでしょうか。

ご意見・ご感想、

また、薬局の事業戦略にまつわるご相談など

お気軽にご連絡お待ちしております。

こちらよりご連絡ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。